特別裁判所日本国憲法では、特別の事件や人を裁判の対象とする特別裁判所は、設置することができないと定める。
この規定は、平等原則や司法の民主化、法の解釈の統一などを、その趣旨とする。なお、家庭裁判所のように、特定の種類の事件を扱う裁判所であっても、通常の裁判所の系列に属する下級裁判所として設置される裁判所は、特別裁判所にあたらないと解されている。
また、憲法は「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」とも定めた(同条項)。この規定の趣旨も、特別裁判所の設置禁止と同様である。この点、終審としてではなく前審として行うのであれば、行政機関が裁判(行政審判)を行うこともできると解釈されている。独占禁止法に基づく公正取引委員会の審決、国家公務員法に基づく人事院の裁定、行政不服審査法に基づく行政機関の裁決などは、この例である。
特別裁判所の設置と行政機関による終審は、いずれも大日本帝国憲法の下では禁止されていなかった。そのため、外地の法院、軍法会議、皇室裁判所などの特別裁判所が存在し、行政事件を専門に扱う行政裁判所が、特別裁判所あるいは一種の行政機関として設置されていた。しかし、日本国憲法の施行により、すべて廃止されている。
