2009年12月アーカイブ

特別裁判所と行政審判

特別裁判所日本国憲法では、特別の事件や人を裁判の対象とする特別裁判所は、設置することができないと定める。 

この規定は、平等原則や司法の民主化、法の解釈の統一などを、その趣旨とする。なお、家庭裁判所のように、特定の種類の事件を扱う裁判所であっても、通常の裁判所の系列に属する下級裁判所として設置される裁判所は、特別裁判所にあたらないと解されている。

 また、憲法は「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」とも定めた(同条項)。この規定の趣旨も、特別裁判所の設置禁止と同様である。この点、終審としてではなく前審として行うのであれば、行政機関が裁判(行政審判)を行うこともできると解釈されている。独占禁止法に基づく公正取引委員会の審決、国家公務員法に基づく人事院の裁定、行政不服審査法に基づく行政機関の裁決などは、この例である。 

特別裁判所の設置と行政機関による終審は、いずれも大日本帝国憲法の下では禁止されていなかった。そのため、外地の法院、軍法会議、皇室裁判所などの特別裁判所が存在し、行政事件を専門に扱う行政裁判所が、特別裁判所あるいは一種の行政機関として設置されていた。しかし、日本国憲法の施行により、すべて廃止されている。

 


最高裁判所と下級裁判所

日本においては、日本国憲法第76条で「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と定め、裁判所が司法権を行使する国家機関とされ、裁判所の構成は裁判所法(昭和22年法律第59号)に定められる。

裁判所法によれば、裁判所は、全国に一つの最高裁判所(最高裁)と下級裁判所からなる。

最高裁判所は、最高裁判所長官(1名)と最高裁判所判事(14名)の計15名の裁判官により構成される。
下級裁判所には、高等裁判所(高裁)、地方裁判所(地裁)、家庭裁判所(家裁)、簡易裁判所(簡裁)がある。
下級裁判所の裁判官は、高等裁判所の長たる裁判官を高等裁判所長官とし、その他の裁判官を判事、判事補及び簡易裁判所判事とする。

高等裁判所には支部を置くことができ(裁判所法22条)、地方裁判所・家庭裁判所には支部または出張所を置くことができる。
2005年(平成17年)4月には、知的財産権に関する事件を専門的に取り扱う裁判所として知的財産高等裁判所(知財高裁)が、東京高等裁判所の「特別の支部」として設置された。


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